本塁打のロマンを語るうえで、通算868本という不滅の金字塔を打ち立てた王貞治氏の足跡を外すことはできない。一本足打法から放たれる美しい放物線は、日本の野球文化そのものを形作った。
そのDNAは、現在の日本野球機構(NPB)で戦う若き長距離砲たちにも確実に息づいている。投手の球速が上がり、変化球の軌道が多様化する現代プロ野球において、長打を狙う打者たちはフォームの改良と肉体改造を重ねている。ボールを捉えるポイントを前へ置きつつ、軸足をブラさずに回転するスイング理論は、かつての巨人が見せた極意と本質的にリンクしているのだ。