『魔王城でおやすみ』を生み出した熊之股鍵次先生の作風には、不朽の名作を生み出した藤子・F・不二雄先生への深いリスペクトが垣間見える。『週刊少年サンデー』の誌面を飾る本作のテンポ良いギャグと、どこか毒を含んだ愛くるしいキャラクター造形は、まさに「小学館イズム」の正統な系譜だ。
編集関係者の証言によると、熊之股先生はキャラクターの表情変化やコマ割りのリズムにおいて、藤子作品の「日常と非日常が入り混じる独特の空気感」を研究し尽くしていたという。過酷な状況をギャグに昇華させる手腕は、ドラえもんがのび太の日常に起こす日常系コメディの化学反応と見事に共鳴している。