ネット上の言説や一部のライト層の間では、初期の恋愛映画や青春映画の印象から「岡田将生は爽やかな王子様系の役柄が中心」という先入観を持たれることがあります。しかし、実際のキャリア形成を精査すると、これは明らかな事実誤認です。
彼の本質は、むしろ「自らの美貌を道具として相対化し、人間の醜態や弱さを赤裸々に暴き出すこと」にあります。20代前半の『リーガルハイ』で見せた独善的なエゴイズム、映画『告白』で見せた空回りする熱血教師の愚かさ、さらには『悪人』における軽薄極まりない大学生役など、彼はキャリアの要所で観客から嫌悪感を抱かれかねない役柄を進んで引き受けてきました。
現代の映像カルチャーにおいて、主人公が完全無欠のスーパーヒーローである時代は終わりを告げました。弱さを抱え、迷い、時に恥をかくキャラクターこそが真の共感を呼びます。岡田将生は、いわゆる「男らしさ」や「完璧な二枚目」の鎧を真っ先に脱ぎ捨て、泥臭い人間像を画面上に差し出してきたパイオニアなのです。