現在葛飾区役所を利用するうえで、最もトラブルが発生しやすいのが駐車場アクセスです。現庁舎の来庁者駐車場は約70台分確保されていますが、平日の午前9時30分を過ぎると周辺道路に入庫待ちの車列が伸び、ピーク時には30分〜45分待ちを余儀なくされます。駐車場自体は最初の30分間が無料、以降の手続き利用で減免処理が行われるものの、区役所前の道路幅員が狭小なため、警備員の誘導に従って路上待機する心理的負担は決して小さくありません。青砥駅や亀有駅、新小岩駅方面から運行されている京成バスの利用が強く推奨される所以です。
一方、現庁舎を訪れる区民の間で長年親しまれてきた文化遺産とも言える存在が、本館地下1階にある「葛飾区役所食堂」です。SNSや口コミサイトでも定期的に話題に上るこの食堂は、一歩足を踏み入れると昭和時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるノスタルジックな佇まいを誇ります。
看板メニューである「日替わり定食(A・B)」はワンコイン前後の手頃な価格帯で提供され、近隣の勤め人や高齢住民の日常を支えてきました。さらに、葛飾区の特産品である小松菜をふんだんに練り込んだ「小松菜うどん」や「小松菜ラーメン」は、シャキシャキとした食感と滋味あふれる出汁が調和した隠れた逸品として知られています。
現場を訪れた利用者の手記や地域掲示板の投稿には、「ピリピリしがちな手続きの合間に、地下の食堂で食べる素朴なラーメンに救われる」「新庁舎に移転したら、この昭和の温もりある空間や良心的な価格設定はどうなってしまうのか」といった惜別の声が多数記録されています。都市の近代化が進む過程で、こうした庶民的なコミュニティ空間がどのように次代へ継承されるのかは、単なる利便性の向上だけでは測れない重要な地域課題と言えます。