産業としての農業・アグリビジネスにおけるお金の事情は、外部からは非常に見えにくい。農家の年収と聞くと「天候次第で不安定」あるいは「大規模農家は大儲け」という極端なイメージを持たれがちだ。しかし、実態は作物の種類や経営規模、直販ルートの有無によって驚くほど多層的である。
一般的な家族経営の農家では、売上高(粗利)から肥料代、燃料費、農業機械のメンテナンス費や減価償却費が引かれるため、手元に残る純所得の割合を把握することが欠かせない。最近では6次産業化やネット通販を組み合わせ、従来の農協出荷だけに依存しない多角的な収益モデルを確立する農家が増加している。年収の「数値そのもの」以上に、家計と営農会計の境界をいかにコントロールするかが、持続可能な農家ライフスタイルの肝となっている。