獪岳の裏切りは、育ての親である桑島慈悟郎へ最悪の結末をもたらしました。鬼殺隊において、自らの弟子・育手から鬼を出すことは最大の恥辱であり、重大な責任問題となります。
慈悟郎は、自らの指導不足と弟子が鬼になった落とし前をつけるため、切腹を選びました。しかもその自刃は、首を切り落として苦痛を和らげる「介錯人」が一人もいない状態で行われました。腹を十文字に切り裂き、内臓を抉り出しながら長時間激痛に悶え苦しんで果てるという、筆舌に尽くしがたい凄惨な死を遂げたのです。
柱稽古の最中、善逸のもとに届いた一通の手紙によってこの衝撃的な事実が告げられました。手紙を読んだ瞬間から善逸の態度は激変します。それまでのコミカルで臆病な振る舞いは完全に消え去り、食事中も黙々と精神を研ぎ澄まし、単独で兄弟子を討ち取る決意を固めました。これが、鬼滅の刃の最終決戦における善逸の凄まじい覚醒の原点です。