宅ふぁいる便の歴史が暗転したのは、2019年1月23日のことでした。運営元である株式会社オージス総研(大阪ガス100%出資の主要IT企業)がサーバーへの不正アクセスを確認し、即座にサービス提供を緊急停止。その後の調査で判明した被害の全貌は、国内のインターネット業界に巨大な衝撃を与えました。
オージス総研の公式発表資料によると、外部へ流出した顧客情報は退会者を含む475万329件(有料会員・無料会員合計)に上ります。漏洩したデータ項目には、以下の重要情報が含まれていました。
- 氏名、ログイン用メールアドレス、ログインパスワード
- 生年月日、性別、職業、業種、職種、居住地の都道府県
- 一部会員の配偶者の有無、子供の有無、興味関心分野
オージス総研は外部のセキュリティ専門機関を交えた詳細なフォレンジック調査を実施し、被害者への個別通知や専用問い合わせ窓口の設置を進めました。しかし、ブランド毀損と失われた社会的信用の大きさは計り知れず、抜本的なシステム再構築には莫大なコストと時間を要すると判断。約1年間のサービス停止期間を経て、2026年3月31日をもって宅ふぁいる便の全サービスを完全終了する苦渋の決断を下しました。