「はね」の違いが金銭的・実用的な価値に直結する典型例が寝具の世界です。「羽毛布団」と「羽根布団」は似たような響きですが、品質表示法および日本羽毛製品協同組合(JBA)の規格によって明確に線引きされています。
寝具の中綿に使われる水鳥(ガチョウやアヒル)の毛には、大きく分けて「ダウン(羽毛)」と「フェザー(羽根)」の2種類が存在します。
- ダウン(羽毛):水鳥の胸元にあるタンポポの綿毛のような芯のない毛。空気を大量に抱え込むため非常に軽く、抜群の保温性を誇ります。一羽の水鳥からわずか十数グラムしか採取できません。
- フェザー(羽根):湾曲した硬い羽軸(芯)を持つ羽。弾力性と復元力に優れますが、ダウンに比べると重量があり、保温性は劣ります。
業界の公的基準では、詰め物重量のうちダウンが50%以上含まれるものを「羽毛布団」、フェザーが50%以上(ダウン50%未満)のものを「羽根布団」と呼ぶことが義務付けられています。市場価格においても、羽毛布団が数万円から数十万円するのに対し、羽根布団は数千円から1万円程度と大きな開きがあります。購入時に「羽根」と「羽毛」の文字を見誤ると、保温性や軽さの面で想定と異なる結果を招くため注意が必要です。