夏八木勲さんとまり子さんの出会いは、夏八木さんが俳優座養成所(第15期生・花の15期)を卒業し、東映で本格的な映画デビューを果たした1960年代後半から1970年代初頭の下積み・若手時代にさかのぼります。
同期には原田芳雄さん、地井武男さん、林隆三さん、前田吟さんといった錚々たる顔ぶれが並ぶ中、夏八木さんは野性味あふれるアクションや時代劇で頭角を現していきました。しかし、映画界の斜陽期やフリー転身後の仕事の波など、決して平坦な道ばかりではありませんでした。
当時の報道や芸能関係者の回想によれば、まり子さんは仕事の増減に一喜一憂することなく、愚痴一つこぼさずに夏八木さんを精神的に支え続けたといいます。「家庭に仕事の緊張感や愚痴を持ち込まない」という夏八木さんのプロ意識は、家庭を絶対的な安らぎの場として維持し続けたまり子さんの配慮があってこそ成立していました。