北川景子がトレードマークだったロングヘアに別れを告げたのは、2026年公開の主演映画『ファーストラヴ』(堤幸彦監督)の役作りがきっかけでした。彼女が演じた公認心理師・真壁由紀は、父親を殺害した女子大生の動機を解明していくなかで、自身が封印してきた過去の心の傷とも向き合うという、極めて重厚かつ繊細な役どころでした。
公式インタビューや当時の製作発表会見で明かされたところによると、ショートヘアへの変更は制作サイドからの要望ではなく、北川景子本人の強い提案によるものでした。原作小説を読み込んだ彼女は、「由紀という女性は過去のトラウマを抱え、日々の仕事に追われながら必死に生きている。自分の身なりに時間をかけて髪を巻くような人物ではない」と直感。「役になりきるためには、髪を切る必要がある」と制作陣に直訴し、30cm以上のカットを決断しました。
実際にハサミを入れる際には、自らの手で最初にハサミを入れる儀式的なカットも行われました。この覚悟とストイックなアプローチは、単なるビジュアルの刷新にとどまらず、女優としての新境地を切り拓く転機となりました。スクリーンに映し出された彼女の凛とした横顔と知的な佇まいは、観客や映画関係者から「原作の由紀そのもの」「これまでにない圧倒的なオーラ」と最大級の賛辞を集めました。