なぜ彼女は一時的に激しい反抗期を迎え、ギャルカルチャーへと身を投じたのか。その背景には、幼少期から思春期にかけて直面した佐々木希の生い立ちにまつわる過酷な家庭環境が存在します。
佐々木家は両親と兄2人の5人家族でしたが、彼女が中学生の頃、深く慕っていた父親が突如として他界するという悲劇に見舞われました。大黒柱を失った家庭を支えるため、母親は介護施設での夜勤などを掛け持ちしながら、女手一つで3人の子どもたちを育て上げました。
父親の死に対する深い喪失感と、多忙を極める母親とのすれ違い。思春期特有の苛立ちや孤独感が重なり、彼女は一時的に非行や反抗的な態度へと傾いていきます。夜遅くまで友人たちと街を徘徊し、派手な身なりで自らを武装することで、抱えきれない不安や心の痛みを紛らわせていた時期があったのです。
決して裕福とは言えない環境のなかで、母親が必死に働く背中を見つめ続けた佐々木さんは、やがて「早く経済的に自立して母を楽にさせたい」と強く決意するようになります。中学卒業後に進学ではなく社会に出る道を選んだ背景には、単なる学業不振ではなく、家族への強い責任感が横たわっていました。