賃貸契約書やガス機器の説明書で頻繁に目にする「LPガス」と「プロパンガス」。ネット上やSNSでも「LPガス物件とプロパンガス物件ではどちらが安いのか」といった疑問が散見されますが、LPガスとプロパンガスは実質的に同じものを指しています。
LPガスとは、英語の「Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)」の頭文字を取った総称です。原油の精製過程や天然ガス田から産出される気体を、常温で圧力をかけて冷却・液化させた石油ガス全般を指します。そして、この液化石油ガスの主成分が「プロパン(炭化水素の一種:C3H8)」であるため、一般家庭向けに供給されるLPガスが古くから「プロパンガス」と呼ばれて親しまれてきた歴史的経緯があります。
厳密な化学的組成から見ると、家庭用としてシリンダー(ボンベ)で供給されるガスは、プロパンが95%以上を占めています。一方、カセットコンロ用ガスボンベやライター用ガス、あるいは工業用燃料として用いられるものには、沸点の異なる「ブタン(C4H10)」が多く配合されています。つまり、「LPガスという大きな枠組みの中にプロパンガスが含まれており、日本の家庭用燃料市場においては両者は完全に同義語として扱われている」というのが科学的かつ業界の正確な事実です。
「LPガスだから最新で、プロパンガスだから古い」といった誤認は不動産現場でも時折耳にしますが、配管や機器の規格、供給されるガスそのものに一切の差はありません。どちらの表記であっても、同じ熱量と同一の安全規格を持った高熱量ガスが届いています。