街中のドラッグストアに立ち寄った際、スーパーよりもお菓子やカップ麺、飲料が明らかに安く売られている光景を目にしたことがあるはずです。流通小売の専門用語で、これは「ロスリーダー戦略」と呼ばれています。
ドラッグストア業界の収益構造を取材すると、明確な事実が浮かび上がります。調剤や医薬品、基礎化粧品などの粗利益率は40%〜50%以上と非常に高く設定されています。これに対して、店舗前面に並ぶお菓子やペットボトル飲料の粗利益率はほぼ0%〜数%程度。場合によっては仕入れ値と同等の赤字覚悟で価格設定されています。
目的は極めてシンプルです。「お菓子や飲み物が安い」という動機で消費者を店内に誘引し、ついでに利益率の高い目薬や湿布、洗剤、化粧水などを買ってもらうことにあります。菓子単体では利益が出なくても、レジを通過するバスケット全体の合計金額で十分な利益を確保できる計算です。
賢い消費者が実践すべき防衛術は、この「店舗側の意図」を逆手に取ることです。ドラッグストアへ向かう際は、必要な生活必需品とお菓子の買い物リストを厳格に決め、それ以外の高単価な日用品へ衝動的に手を伸ばさない自制心を持つこと。これさえ徹底できれば、ドラッグストアは地域で最も身近で優秀なお菓子のディスカウント拠点として機能します。