シュガーの歴史を語る上で避けて通れないのが、ベースを担当し、明るい笑顔と芯のある低音ボーカルで親しまれた毛利公子さんの突然の訃報です。
グループ解散後、毛利さんはタレントとしてテレビ番組の司会やリポーターとして精力的に活躍していました。1989年にはミュージカル劇団のスタッフと結婚し、待望の第1子を授かるなど私生活でも大きな幸せに包まれていました。しかし、1990年4月7日、妊娠7か月半であった毛利さんは突如体調を崩し、救急搬送されたものの妊娠中毒症(現在の妊娠高血圧症候群)に伴う急性心不全により息を引き取りました。29歳というあまりにも早すぎる死でした。
お腹の赤ちゃんとともに旅立ってしまったこの悲劇は、当時のワイドショーや音楽関係者に極めて深い衝撃を与えました。残された渡辺美紀さんと長沢久美さんは深い悲嘆に暮れ、後年の取材でも「あの日のショックと言葉にできない喪失感は一生消えることがない」と胸中を吐露しています。毛利さんの純粋な人柄と歌声は、今なお多くの音楽ファンによって語り継がれています。