すべての呼吸の源流である「日の呼吸」の派生でありながら、まったく独自の極致へと進化を遂げた「月の呼吸」。刀身から無数に発生する三日月状の刃は、不規則な軌道と大きさで周囲の空間を無慈悲に刻む。間合いという概念そのものを破壊する技だ。
アニメーションにおいて、この月の呼吸の表現はまさに神業の領域に達している。青紫色の幻想的な光と影が交錯する中、一振りごとに展開される圧倒的な殺傷力。どれほど鍛錬を積んだ剣士であっても、近づくことすら許されない。美しさと残酷さが同居するその映像美は、観客の目を釘付けにしながらも底知れぬ恐怖を植え付ける。