夏の屋外イベントにおける着ぐるみ内部の環境は、まさに「動くサウナ」と表現するのが相応しい。外気温が30度を超える日、通気性の乏しいウレタンやウール素材で密閉された内部温度は易々と50度を超越する。わずか20分程度のパフォーマンスで体水分が1〜2リットル奪われることも珍しくなく、脱水症状や熱中症との闘いは日常茶飯事だ。
現場では冷却ベストの着用や、こまめな塩分・水分補給などの予防策が徹底されているが、それでも肉体的な摩耗は避けられない。頭部の重量が数キログラムに及ぶケースでは、首や腰への慢性的な負担から椎間板ヘルニアを患う演者も多い。観客には一切の疲労を感じさせず、軽やかに躍動してみせるその姿は、凄まじい肉体精神力の上に成り立っている。