かつて街中にあふれていた喫煙可能店が急激に姿を消した最大の契機は、2020年4月に全面施行された「改正健康増進法」です。この法改正によって、多数の人が利用する施設は「原則屋内禁煙」と義務付けられ、飲食店における喫煙は極めて厳しい設備要件をクリアしなければならなくなりました。
法律上は、既存の小規模飲食店を守るための救済策として健康増進法 喫茶店 経過措置が設けられています。具体的には、「2020年4月1日時点で営業している」「資本金5,000万円以下」「客席面積100平方メートル以下」という3条件をすべて満たす場合、届出を行えば店内での喫煙が認められます。しかし、この経過措置を阻んだのが、各自治体が独自に制定した上乗せ条例でした。
特に影響が大きかったのが東京都の「東京都受動喫煙防止条例」です。都の基準では、面積にかかわらず「従業員を1人でも雇用している飲食店は原則屋内禁煙」と規定されました。この受動喫煙防止条例 飲食店 基準により、アルバイトやスタッフを雇って営業していた都内の喫茶店の約8割が、全席禁煙化か高額な喫煙専用室の設置を迫られる事態となったのです。
さらに、喫煙ブースの設置には排気風速0.2m/s以上の確保やダクト工事が必要で、導入費用は100万円〜300万円規模に達します。コロナ禍以降のコスト高騰や経営者の高齢化も重なり、設備投資を諦めて全面禁煙へ舵を切る店が相次いだことが、激減の決定的な背景にあります。