ピンクのバラが持つ優雅なイメージは、歴史上の人物と深い関わりを持っている。その筆頭が、フランス皇帝ナポレオンの妃であるジョゼフィーヌ・ド・ボアルネだ。彼女はマルメゾン城の庭園に世界中からあらゆる品種のバラを集め、近代バラの交配と普及に多大な貢献を果たした。
ジョゼフィーヌの手厚い庇護のもと、宮廷画家のピエール=ジョゼフ・ルドゥーテが描いた精密なボタニカルアート(植物画)は、当時のバラの美しさを現代にまで鮮明に伝えている。彼女が愛したバラの静穏な気品と美意識こそが、今のピンクのバラが象徴する「上品」や「品格」といった花言葉の源流となっている。