本作は、2005年の現代と1944〜1945年の戦時中という二つの時間軸が交錯する構成をとっています。
鹿児島県枕崎の港に、一人の女性・内田真貴子(鈴木京香)が現れます。彼女は大和の元乗組員・内田守(中村獅童)の養女であり、大和が沈んだ北緯30度43分、東経128度04分の海域へ連れて行ってほしいと船頭たちに懇願します。唯一その船を出したのが、かつて内田の部下であり大和から生還した老人・神尾克己(仲代達矢)でした。船上で神尾の脳裏に、少年時代の記憶が鮮烈に蘇ります。
昭和19(1944)年、神尾(松山ケンイチ)ら15〜17歳の少年たちは、憧れの特別年少兵として巨大戦艦大和へ配属されます。そこにあったのは想像を絶する過酷な訓練と、森脇(反町隆史)や内田ら上官との魂の触れ合いでした。しかし戦局の悪化に伴い、昭和20年4月、大和に「天一号作戦(坊ノ岬沖海戦)」への出撃命令が下ります。それは沖縄を目指す事実上の片道特攻でした。
押し寄せる米軍機300機以上の猛攻、飛び交う機銃弾、轟音と血煙のなかで次々と散っていく仲間たち。阿鼻叫喚の地獄絵図の中で、若者たちは誰のために、何を守るために戦ったのかが描かれます。
物語のエンドロールを締めくくるのは、長渕剛が書き下ろした主題歌『CLOSE YOUR EYES』および『NEVER GIVE UP』です。哀切と力強さを併せ持つメロディと歌声が、命を散らした英霊たちへの鎮魂歌(レクイエム)として響き渡り、劇場を深い感動と涙で包み込みました。