体毛を隠さない女性の姿が公の場で議論を呼んだ原点といえば、1999年の映画『ノッティングヒルの恋人』プレミア上映会だろう。深紅のドレスを纏ったジュリア・ロバーツが笑顔で手を振った瞬間、脇の下から覗いたナチュラルな体毛に世界中のメディアが騒然となった。当時は「うっかり処理を忘れた大失態」としてタブロイド紙に書き立てられたが、彼女が投げかけた波紋は消えなかった。
時代をさらに遡れば、ポップアイコンのマドンナが挑発的なポーズでアンダーアームヘアを誇示し、男性中心社会が規定する「女性らしさ」の枠組みを揺るがしてきた歴史がある。彼女たちのアクションは単なる奇行ではない。なぜ男性の体毛は自然物として受け入れられ、女性の毛だけが不潔や怠慢の烙印を押されるのか——そんな根本的な問いを突きつけるカウンターカルチャーだったのだ。