荒木氏の若さをめぐる言説の中で、もはや定番のインターネット・ミームとなっているのが「波紋の呼吸法体得説」と「吸血鬼化説」です。作品をご存知の方には説明不要ですが、いずれも『ジョジョの奇妙な冒険』第1部および第2部に登場する、若さと強大な生命力を保つための作中設定に由来します。ネット掲示板やSNSでは、何十年にもわたる著者の顔写真を時系列で並べたコラージュ画像が拡散され、「荒木先生だけ時間の進み方がおかしい」「作者自身が石仮面を被った張本人」といったジョークが定着しました。
荒木飛呂彦 不老不死 ネットの反応は単なる冷やかしにとどまらず、海外のファンコミュニティ(Reddit等)でも「Araki is an immortal vampire(荒木は不死の吸血鬼)」として広く認知されています。これに対し、本人は過去の特番インタビューやファンイベントの場で笑顔を浮かべながらユーモラスに言及しています。公の場で「遺伝子の検査をされたことがある」「取材陣から『本当に歳を取らないのか』と腕を触られた」というエピソードを披露しつつ、次のように語り会場を沸かせました。
「いやいや、ちゃんと歳は取っていますよ。昔の写真と比べたら確実に足腰にもガタが来ていますし、階段の上り下りも普通にしんどいです。ただ、周りから『変わらない』と言われ続けるので、プレッシャーで老けにくくなっているのかもしれません(笑)」
本人が自著やインタビューで語る「老化の実感」という生の告白とは裏腹に、公の場で見せる軽やかな身のこなしと端正なビジュアルが、ファンの幻想を打ち消すどころか補強し続けているのが実情です。