このブームをさらに下支えしているのが、熱狂的な二次流通のネットワークだ。ハリー・ポッターという作品の根底にある「ホグワーツの4つの寮」という属性分けは、コレクター心理を刺激してやまない。
グリフィンドール、スリザリン、レイブンクロー、ハッフルパフ。カプセルを開けた瞬間、自分の意中の寮ではないアイテムが出たとしても、現代のファンは落胆しない。売り場のベンチですぐさまスマートフォンを取り出し、X(旧Twitter)に「【譲】グリフィンドール 【求】スリザリン」とポストする。あるいはメルカリの出品画面を開く。
都内の大型店舗の片隅では、カプセルを開封した見知らぬ大人同士が「あ、スリザリン出ました?」「ハッフルパフと交換しませんか」と声を掛け合う姿すら見られる。デジタルネイティブな世代が、プラスチックの小さなカプセルを介して、まるで学園祭のフリーマーケットのような生々しい物々交換を楽しんでいる。