この組織の構成メンバーを見ると、その異質な性格が明白になる。日本側からは外務省北米局長を筆頭に法務省、防衛省、財務省などの局長級官僚が出席するのに対し、米国側は在日米軍司令部の副司令官をはじめとする軍幹部がずらりと並ぶ。文民統制(シビリアン・コントロール)を原則とする現代国家において、日本の文官が他国の現役将校と直接交渉し、取り決めを結ぶ構図自体が極めて異例だ。
さらに地位協定を運用するための協議でありながら、取り交わされた合意文書や議事録の大部分は機密扱いとされ、国民に開示されない。官僚組織にとっては、国会審議を経ずに米軍との合意を既成事実として国内政策に反映できる都合の良い仕組みとして機能してきた。この「官僚と軍の密室同盟」こそが、数々の不条理を生み出す構造的暗部である。