なぜ単なる過去の1話ゲスト出演が、「キャスト交代」「降板に伴う新加入」という巨大な噂にすり替わってしまうのでしょうか。ここには、デジタル空間における情報の伝言ゲームと、現代のまとめ情報サイト特有の構造的要因が存在します。
まず挙げられるのが、「情報の日付喪失」というネット特有の現象です。Web上のまとめ記事やSNSの切り抜き動画では、2018年の出演情報が日付を削ぎ落とされた状態で流通することが珍しくありません。最近ファンになった層が「ジェシーがミタゾノに出演決定!」という見出しを目にした際、それを直近のニュースだと誤認してしまうケースが後を絶ちません。
さらに、前述した「伊野尾慧の降板疑惑」との合体です。伊野尾が演じる村田光は、純粋で騙されやすい愛されキャラクターとして第3シリーズから不動の地位を築いています。しかし、新シーズン発表前の空白期間には、必ずと言っていいほど「キャスト総入れ替え説」がゴシップ系メディア等で面白おかしく取り沙汰されます。
その際、松岡と親交が深く、バラエティやドラマで大活躍している事務所の後輩としてジェシーの名前が「後任候補の筆頭」として勝手に結びつけられてしまうのです。「伊野尾からジェシーへ交代か?」という扇情的なタイトルがクリックベイトとして機能し、読者が事実関係を誤解する負の連鎖が生まれました。
実際には、制作サイドやテレビ朝日から伊野尾の降板を示唆する発表は一度も行われておらず、ジェシーがレギュラー枠を奪うという構図も事実無根です。むしろ、二人がそれぞれ異なる魅力を持った役者としてシリーズに関わっていることこそが客観的な真実です。