「普段のスーツはウエスト82cmで余裕があるのに、特定健診で86cmと言われて納得がいかない」という訴えは後を絶ちません。しかし、アパレルで用いられる「ウエストサイズ」と、医療機関で測る「腹囲(ウエスト周囲径)」は、計測している部位そのものが根本から異なります。
厚生労働省の標準的な健診マニュアルに定められた、男性腹囲の正しい測り方は以下の通りです。
- 計測位置:直立した姿勢で、おへその高さ(へそ周囲径)にメジャーを水平に回します。お腹に脂肪が垂れ下がっておへそが本来の位置より下がっている場合は、肋骨の一番下の骨と骨盤の腰骨の頂点の中間ラインで測ります。
- 呼吸のタイミング:息を大きく吸い込んだり、逆にお腹を無理に引っ込めたりしてはいけません。両足を揃えて自然に立ち、軽く息を吐ききった自然な状態(呼気終わり)で数値を読み取ります。
- メジャーのテンション:皮膚にメジャーを強く食い込ませず、弛みもない水平な密着状態をキープします。
市販の紳士服スラックスは、多くの場合おへそよりも数センチ下の「腰骨(骨盤)の上」で引っ掛けて着用するように作られています。一方、内臓脂肪が最も集積するのはおへその周囲です。そのため、骨盤周りよりおへそ周りの方が周囲径が太くなりやすく、衣服のタグ表記よりも2〜4cm程度大きく計測されるのが現場の当たり前です。「ズボンが入るから大丈夫」という油断こそが、内臓脂肪の蓄積を見逃す最大の盲点となります。