国外からの自死希望者を積極的に受け入れている最も知られた団体が、チューリッヒ近郊に拠点を置くディグニタス (Dignitas) である。「すべての人間には尊厳ある生と尊厳ある死の権利がある」を理念に掲げ、医療書類の徹底的な精査と、複数の独立した現地医師による面談を条件として課している。
一方で、オーストラリアの元医師フィリップ・ニッチケ (Philip Nitschke) 氏が設立したエグジット・インターナショナル (Exit International) は、より強い「自己決定権の拡大」を主張し、従来の医療主導のアプローチに一石を投じてきた。
団体ごとに審査基準や思想は異なるが、いずれも共通するのは「安楽死のビジネス化」を徹底排除する姿勢だ。営利目的での運営が疑われれば、スイス刑法115条の「非営利」要件に抵触し、組織自体が即座に捜査対象となるからだ。