ダンベルフレンチプレスには、両手で行うか片手で行うか、座るか立つかによって刺激の特性や関節への負荷が大きく変化します。また、類似種目であるライイングトライセプスエクステンションとの違いも整理しておく必要があります。
片手ワンハンドと両手の違いについて見ると、両手(ツーハンド)は高重量を扱いやすく、上腕三頭筋全体に強烈なメカニカルテンション(物理的負荷)を与えられる利点があります。一方、片手(ワンハンド)はダンベルを縦に握るニュートラルグリップが可能となり、肘関節の自由度が高まるため、肘に痛みを感じやすい人や左右の筋力差を是正したい場合に最適です。
次に、シーテッドとスタンディングのフォーム比較です。スタンディング(立ち姿勢)は全身のバランス感覚を養えますが、疲労時に腰を反らせて反動(チーティング)を使いやすくなります。これに対し、シーテッド(座り姿勢)は下半身が固定されるため反動が遮断され、上腕三頭筋を純粋にアイソレーション(単関節分離)して追い込むことができます。
なお、フラットベンチに仰向けになって行うライイングトライセプスエクステンションとの違いは、「負荷が最大になる関節角度」にあります。ライイング型は肘が90度前後(中間域)で最大の負荷がかかるのに対し、フレンチプレスは最も筋肉が引き伸ばされた「最大伸張域(ボトムポジション)」で強烈なストレッチ負荷がかかります。近年の筋肥大研究で重要視される「ストレッチ種目」としての効果は、フレンチプレスの方が圧倒的に優れています。