「たかがベイプ」と甘く見ているユーザーに対し、現場の呼吸器内科専門医は強い警鐘を鳴らしている。初期の異変を見逃すと、一気に人工呼吸器が必要な重症状態へと進行する危険があるからだ。
初期症状として多く見られるのは、持続する乾いた咳、階段を上る際の息切れ、胸部の圧迫感や違和感だ。さらに進行すると、発熱、倦怠感、下痢や嘔吐といった全身症状を伴う場合もある。これらの症状は風邪やインフルエンザと誤認されやすく、発見が遅れる原因となっている。
また、オイル系成分を含んだリキッドの吸入によって引き起こされる脂質性肺炎も深刻だ。免疫細胞の一種であるマクロファージが肺に入り込んだ油分を退治しようとして死滅し、その死骸と油分が肺胞を埋め尽くしてしまう。放置すれば組織の線維化が進み、不可逆的な呼吸器疾患へと移行する恐れがある。