吐き出した気道分泌物のなかに鮮血が混じる血痰や、ドロッとした膿状の膿痰がみられる場合、臨床上の緊急度は一気に跳ね上がる。血液が糸状や点状に混じる程度であっても、気道粘膜の血管が破綻していることを示しており、放置は厳禁である。大量の鮮血が吐き出された場合は、直ちに救急外来を受診しなければならない。
医学的基準を提供するMSDマニュアルにおいても、気道からの持続的な出血や著しい膿痰の排出は、気道破壊や重篤な組織壊死を疑うべき警告サインと位置づけられている。呼吸器系の粘膜は非常に繊細であり、微少な毛細血管の破砕から大血管の損傷まで、血痰の背景には多岐にわたる病態が潜んでいる。単なる風邪の残り滓と自己判断することは大きなリスクを伴う。