年間を通じて降水量が多い高知の気候は、城づくりにおいても最大の課題であった。その解答として設計されたのが、壁面に独特の小庇(ひさし)を取り付けた「水切り瓦」だ。激しい雨が壁面を濡らし、漆喰を傷めるのを防ぐためのこの工夫は、機能性のみならず、建物全体に立体的な陰影と躍動感を与えている。
また、追手門周辺や三ノ丸を支える「野面積み(のづらづみ)」の石垣も見逃せない。自然石をほとんど加工せずに積み上げたこの石垣は、排水性に優れ、大雨や地震にも耐えうる圧倒的なタフさを誇る。石垣の隙間から突き出た「石樋(いしどい)」は、城内の水を効率よく城外へ排出する水抜き機構であり、400年以上経った今も現役で機能している。自然の猛威と対峙し続けた先人たちの凄まじい智慧が、ここには息づいている。