神尾駅が開業したのは1928年(昭和3年)のこと。大井川上流部の電源開発や木材輸送、地域住民の生活の足として開通した大井川本線の歴史を今に伝える古刹の駅です。所在地である静岡県島田市神尾は、茶畑と深い木々に囲まれた山あいの集落で、駅周辺には商業施設や自動販売機すらほとんど見当たりません。
駅構造は、かつて列車同士の行き違い(交換設備)が行われていた名残を感じさせる1面2線の島式ホーム。素朴な木造の上屋(待合所)がポツンと建つ姿は、鉄道ファンから「正統派の秘境駅」として高く評価されています。周囲を包む鳥のさえずりと川のせせらぎ、そして時折響く列車の警笛だけが時の流れを知らせてくれる特別な空間です。