ヒューズが切れたとき、最もやってはならないのは「とりあえず手元にあった別のヒューズを適当に差し込む」ことや「針金やアルミホイルでバイパスする」行為だ。ヒューズが飛んだということは、回路のどこかに短絡や過負荷といった明確な異常が発生した証拠である。原因を取り除かないまま通電すれば、電線が発火して火災に直結する。
安全に交換作業を行うための鉄則は以下の通りだ。
第一に、必ず電源を元から遮断すること。家庭用機器ならコンセントを抜き、自動車ならエンジン(またはパワースイッチ)を切り、必要に応じてバッテリーのマイナス端子を外す。感電やショートによる二次被害を防ぐための絶対条件だ。
第二に、ヒューズボックスの位置を確認し、専用のヒューズプラー(引き抜き工具)や絶縁されたラジオペンチを用いて垂直に引き抜く。目視で内部のエレメントが断線しているか、あるいはテスターで導通がないかを確認する。
第三に、交換するヒューズは「形状」「定格電圧」「定格電流(アンペア数)」が完全に一致するものを選ぶ。例えば10Aの指定箇所に15Aのヒューズを入れると、異常電流が流れても溶断せず、機器が燃え尽きる恐れがある。パナソニック株式会社などが手掛ける最新のスマート分電盤や保護コンポーネントでも、規定値通りの厳密なパーツ管理が安全運用の大前提として指定されている。