こそあど言葉とは?これ・それ・あれの使い分けと大人も迷う文法ルール

こそあど言葉とは?これ・それ・あれの使い分けと大人も迷う文法ルール

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小学校低学年から中学年の国語で必ず登場するこそあど言葉ですが、抽象的な文法用語を使って説明しても子どもには響きません。家庭学習や宿題のプリントでつまづいている場合は、「体感的な距離とジェスチャー」を使った覚え方が最も効果を発揮します。

家庭で教える際は、机の上に消しゴムやノートを置き、以下のような身体感覚のフレーズでインプットさせてみてください。

  • 「こ」は、自分の手でタッチできる近さ!(自分の胸元や手元を指さしながら)
  • 「そ」は、お友達や相手の目の前!(相手の手元を指さしながら)
  • 「あ」は、みんなから遠いあっち!(遠くの壁や窓の外を指さしながら)
  • 「ど」は、はてな?どれかわからないとき!(首をかしげるポーズを取りながら)

また、小学生が国語テストの「指示語の指す内容を文章中から抜き出しなさい」という問題で失点するパターンには、決まった原因があります。それは「文章を後ろへと読み進めてしまう」ことです。

子どもへの指導における鉄則は、「指示語の指す答えは、原則として9割以上が『直前の1〜2文の中』に隠れている」というルールを教えてあげることです。「これ」「そのこと」が出てきたら、文章を先に進めるのではなく、指でなぞりながら直前の文章へ巻き戻る癖をつける。そして見つけた名詞や文末の言葉を、指示語の位置にそのままパズルのように当てはめてみて、意味が自然に通じるかを音読して確認させる。このステップを繰り返すだけで、読解プリントの正答率は飛躍的に向上します。

【プロの結論】指示語の使い分けが示す知性と心理的バウンダリー

社会言語学や対人心理学の観点から見ると、こそあど言葉の使い分けは、話し手が他者との間に引いている「心理的バウンダリー(境界線)」を驚くほど正確に映し出します。

不用意に「あの話」と連発する人は、無意識のうちに「私たちは当然同じ感覚を共有しているはずだ」という甘えや共依存的な前提を相手に押し付けている可能性があります。一方で、どんなに親しい間柄であっても、相手から提示されたトピックに対して「そのご意見は興味深いですね」と端正に「そ」で返す人は、相手の独立した領域を尊重する健全な自立性を保てています。

コミュニケーションの現場における判断基準として、以下の指針を胸に刻んでおくことを推奨します。

  • 指示語を積極的に活かすべき場面:対面での口頭プレゼンテーションや、テンポが重視される日常会話。適度な指示語がリズミカルな会話の推進力を生み出します。
  • 指示語を徹底的に排除・具体化すべき場面:契約書、仕様書、リモート環境でのテキストチャット、複数人が介在するプロジェクト進行。固有名詞による完全な言語化が、トラブルの芽を未然に摘み取ります。
池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。