電気配線の安全を確保するうえで、最も基本でありながらミスが多発するのが絶縁テープ巻き方手順です。ただ巻きつけるだけでは、経年変化や温度変化によって隙間が生じ、そこから湿気やホコリが侵入して絶縁破壊を引き起こす恐れがあります。
電気保安の現場で徹底されている絶縁テープ重ね巻きの基本は「半幅重ね(ハーフラップ)」です。テープの幅の半分(約1/2)が常に重なるように斜め方向にずらしながら巻き進めることで、均一な厚みと絶縁層を形成できます。
作業の具体的なステップは以下の通りです。
ステップ1:下地処理と清掃
巻き付ける対象の配線や端子表面のホコリ、油分、水分を無水エタノールや乾いたウエスで完全に拭き取ります。油分が残っていると粘着剤が本来の密着力を発揮できません。
ステップ2:テンションをかけたハーフラップ巻き
被覆が健全な部分から約20mm手前をスタート地点とします。テープを元の長さの約1.5倍程度に軽く引っ張りながら、テープ幅の1/2ずつ重ねて巻き進めます。引っ張ることでテープ自体に適度な縮み張力が発生し、配線へ強力に密着します。
ステップ3:往復巻きによる層の形成
通常、低圧配線の絶縁処理では「1往復(=計4層相当)」が標準的な安全基準です。端部まで巻き進めたら折り返し、逆方向へ同様に半幅重ねで巻き戻します。
ステップ4:末端の無テンション処理
最後の巻き終わり1〜2cmは、絶対に引っ張らずにテンションを抜いた状態で貼り付けます。伸ばしたまま貼り終えると、ゴムやPVCの復元力によって端から剥がれてくる「端末剥離」の原因になります。テープはハサミやカッターで直角にカットし、指の腹でしっかり押し付けて密着させます。