全国の郷土料理クイズや試験問題において「愛媛県の郷土料理である鯛めしに見られる松山と宇和島の地域ごとの違いとして最も適切なのは?」と問われた際、正解となる決定打は極めて明快です。それは「松山は鯛を一匹丸ごと米と一緒に炊き込む加熱調理であるのに対し、宇和島は新鮮な生の真鯛の刺身を特製のタレや生卵と和えて温かいご飯の上にのせて食べる」という点に尽きます。
一般的に「鯛めし」と耳にして全国の人々が想起するのは、土鍋や釜の中で香ばしく炊き上げられた松山スタイルでしょう。しかし、宇和島を擁する南予地方に足を踏み入れると、その常識は鮮やかに覆されます。提供されるのは熱せられたご飯と、透き通るような白身の真鯛の切り身、そして琥珀色のタレに落とされた生卵です。この対極とも言える二つのアプローチが、同一の県内で「郷土の代表作」として並び立っている事実こそ、愛媛グルメの底知れぬ魅力となっています。