私立の二大巨頭に真っ向から挑むのが、公立の雄である水戸商業高等学校だ。泥臭くゴール前で身体を張り、統率された組織的ディフェンスから電光石火のカウンターを繰り出す伝統のスタイルは健在である。部員全員が連動する粘り強いプレッシングは、テクニックに勝る相手のリズムを狂わせる特効薬として機能している。
「私立全盛の時代だからこそ、公立の意地を見せたい」――ピッチに立つ選手たちの気迫は凄まじい。水戸商業高等学校の復活劇は、茨城の高校サッカーシーンに強烈なスパイスを効かせている。
さらに第一学院や水戸啓明、古河一といった実力校も虎視眈々とジャイアントキリングを狙う。一発勝負のトーナメントにおいて、堅守速攻を研ぎ澄ませたチームほど怖い存在はない。どこが勝ち上がっても不思議ではない混戦模様が、観る側の胸を熱く焦がす。