どれほど検索トレンドに並ぼうとも、公的記録は明快です。NHKが公開している『カムカムエヴリバディ出演者一覧』や当時の公式ガイドブック、アーカイブ資料を精査しても、町田啓太カムカムエヴリバディという出演実績は1秒たりとも存在しません。
本作はラジオ英語講座と共に生きた安子(上白石萌音)、るい(深津絵里)、ひなた(川栄李奈)の三世代ヒロインを描いた100年の大河叙事詩です。作品を彩った男性キャストを改めて振り返ると、安子の運命を変える雉真稔役を松村北斗(SixTONES)、その弟・勇役を村上虹郎、ジャズ喫茶のトランペッターであるトミー北沢役を早乙女太一、るいと結ばれる大月錠一郎役をオダギリジョーが演じています。
公式のカムカムエヴリバディキャスト相関図のどこを辿っても、劇団EXILE出身の実力派・町田啓太の名前は刻まれていません。それにもかかわらず、視聴者の間では「岡山編の青年将校か御曹司役ではなかったか」「大阪編のジャズミュージシャンにいたはず」といった具体的な役柄のイメージを伴う混同が長年解消されずにいます。この集団的な記憶のズレは、複数の外部要因が偶然にも同時多発的に重なり合ったことで引き起こされました。