ノミに刺された際の皮膚反応には、他の吸血昆虫とは異なる際立った視覚的・臨床的特徴が存在します。日本国内で人間に被害をもたらすノミの大半は「ネコノミ(Ctenocephalides felis)」であり、犬や猫だけでなく人間に対しても活発に吸血行動を行います。
写真で確認できる典型的なノミ刺されの症状は以下の通りです。
- 鮮やかな赤み(紅斑・丘疹):直径2〜5mm程度の境界が明瞭な鮮紅色の硬いポツポツ(丘疹)が出現します。中心部をルーペなどで拡大して見ると、微細な点状の刺し口や出血点が確認できるケースが目立ちます。
- 水ぶくれ(水疱)の形成:ノミの唾液成分に対するアレルギー反応が強い場合、発疹の中央部に透明なリンパ液が溜まった小水疱や、ときには直径1cmを超える大型の水ぶくれへと急速に肥大化します。
- 下肢への集中:成虫のノミの体長はわずか2〜3mm程度ですが、垂直方向に約20〜30cm跳躍する能力を持ちます。そのため、被害の80%以上が足首、アキレス腱周囲、すね、ふくらはぎといった膝下の低い位置に集中します。
- 直線的・密集した配列:ノミは吸血中に宿主が動くと場所を移動して吸血を繰り返す習性があるため、2〜3個の発疹が数センチ間隔で直線状、あるいは狭い範囲に固まって並ぶ特徴があります。
猫ノミ人間への被害と症状においては、人間はノミにとって本来の繁殖対象(終宿主)ではないため、体表に長期間寄生し続けることはありません。しかし、吸血行動そのものは極めて貪欲であり、靴下の隙間やすぼまったズボンの裾から侵入しては複数箇所を次々と刺咬します。