朝の登校風景は一見、他の都立高校と変わらない。しかし、校舎に一歩足を踏み入れると、ある違和感に気づく。チャイムが鳴らないのだ。
授業の開始も終了も、生徒たちは壁に掛けられた時計を見て自ら行動する。最初は戸惑う新入生も多いという。だが、数ヶ月も経てば、誰に指示されるでもなく次の教室へと移動し、席につくようになる。
この「チャイムなし」の生活は、単なる演出ではない。社会に出れば、誰も次の行動をチャイムで教えてはくれない。時間管理を他人に委ねるのではなく、自分の意思で時間をコントロールする。そのための第一歩が、この日常に組み込まれている。