天体観測を始めた初心者が最も驚き、時に落胆するのが「望遠鏡を覗いても写真のようなピンクや赤には見えない」というギャップです。
天体写真で見るオリオン大星雲は、電離した水素が放つHα線による鮮やかなピンクや赤、酸素イオンによるエメラルドグリーンが重なり合っています。しかし、人間の肉眼の網膜にある視細胞(桿体細胞)は、夜間のような暗所では色を識別する感度が極めて低く、明暗しか感じ取れません。
そのため、肉眼や望遠鏡のアイピース越しに見るオリオン大星雲は「淡い緑がかった乳白色のベール」のように映ります。しかし、数億キロメートル彼方から届く光をリアルタイムで自分の網膜に受ける体験は、写真を見るのとは全く異なる奥行きと迫力をもたらしてくれます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
- 観測をおすすめできる人:冬の澄んだ夜空で気軽に宇宙の広がりを体感したい人、双眼鏡を手に入れて手軽に天体観測を始めたい人、天体写真のファーストステップを踏み出したい人。
- 慎重になるべき人:「大型望遠鏡さえ買えば写真のような鮮やかな赤や青の星雲がそのまま目で見える」と過度な期待を持っている人(事前の見え方の理解が大切です)。