親子関係不存在確認の認容判決が確定すると、法律上の親子関係は出生時に遡って最初から存在しなかったことになります。これに伴い、民法上の権利義務関係に重大な地殻変動が生じます。
最大の影響は相続権 剥奪 影響です。子が法律上の実子でなくなるため、父(元夫)に対する第一順位の法定相続権は完全に消滅します。将来の遺産分割協議に参加することはできず、代襲相続の権利も失われます。万が一、既に父が他界した後に親子関係不存在が確定した場合は、過去の相続分を真の相続人へ返還請求(相続回復請求)される事態へと発展します。
また、扶養義務も消滅するため、将来に向けた養育費の支払義務は一切なくなります。一方で問題となるのが「過去に支払ってきた養育費を返還請求できるか」という点です。法理上は「法律上の原因なく給付されたもの(不当利得)」として母親に対して不当利得返還請求を行う余地があります。ただし、返還請求が信義則に反すると判断される判例や、子の監護育成費用として消費され現存利益がないとされる事例も多く、全額の回収には高度な法的主張が求められます。