本作がこれほどまでに視聴者を熱狂させた背景には、主人公たちの前に立ちはだかる「下町ロケット キャスト 悪役」たちの憎たらしくも魅力的な演技がありました。悪役が強大で狡猾であればあるほど、佃製作所がそれを打ち破った際のカタルシスは何倍にも膨れ上がります。
2015年版の「ガウディ編」で最大の壁となったのが、ライバル企業サヤマ製作所の社長・椎名直之を演じた小泉孝太郎です。それまでの爽やかで誠実なパブリックイメージを完全に覆し、冷徹で計算高いエリート社長を不気味な笑みとともに好演。SNS上では「小泉孝太郎の悪役が怖すぎる」「爽やかさが逆に狂気を感じさせる」と絶賛の嵐が巻き起こりました。
また、知財法廷闘争で佃を追い詰めたナカシマ工業の顧問弁護士・三田達司役の橋本さとしや、徹底的な佃潰しを目論んだ日本クラインの製造部長役・世良公則の威圧感も見事でした。2018年版では、古舘伊知郎演じるライバル企業社長・重田登志行が放つマシンガントークの怨嗟や、福澤朗演じる審査機関の嫌味な官僚主義的態度など、リアリティ溢れる悪役像が物語の緊迫感を極限まで高めました。