メガヒット写真集の数字をめぐっては、インターネット上でいくつかの誤解や憶測が飛び交うことがあります。ここでは取材データと業界の構造から、そうした噂の真相を是正します。
まず頻繁に囁かれるのが、「限定カバーや特典による一部ファンの複数買いが数字を底上げしているだけではないか」という疑問です。確かに坂道シリーズをはじめとするトップアイドルの写真集では、書店限定ポストカードや表紙違い版などの施策が初週の爆発的な売上に寄与します。しかし、特典効果で伸ばせる部数は現実的には数万部から多くても10万部前後が限界です。
50万部という水準は、特典に興味がない一般読者層がレジに本を持ち込まなければ絶対に到達できません。実際、白石麻衣さんや田中みな実さんの写真集は、発売から半年以上が経過した平日の通常営業時でも全国の一般書店で安定して売れ続ける「定番商品」化していました。
また、「発行部数と実売数に大きな乖離があるのではないか」という指摘についても、これらメガヒット作に関しては当てはまりません。取次会社と書店の厳格なPOSデータ管理下において、実売が伴わない過剰な重版は出版社の経営リスクに直結します。重版が即座に全国の店頭から消えていった事実こそが、本物の需要が存在した動かぬ証拠です。