店名に「市場」を冠する理由は、テーブルに運ばれてくる魚介の一皿を見れば一目瞭然だ。長浜鮮魚市場をはじめ、九州近海から届く旬の魚介類がショーケースを華やかに彩る。
新鮮な魚介を惜しみなく使ったシーフード料理は、素材そのものの輪郭を際立たせるシンプルな調理法が際立つ。朝獲れ鮮魚のカルパッチョには九州産のかぼすや上質なオリーブオイルがひと回しされ、素材の甘みと酸味が鮮烈なコントラストを描く。貝類や甲殻類の旨味を極限まで引き出したペスカトーレやアクアパッツァは、凝縮されたスープの一滴すら残したくないほどの深みを持つ。
ナポリの伝統レシピと九州の豊かなテロワール。ふたつの個性が無理なく調和し、ここでしか味わえない独自のガストロノミー体験へと昇華されている。