ブライダル総研の最新実態調査および主要ジュエラーの販売動向を総合すると、2026年における婚約指輪の全国平均購入価格は38万〜42万円、結婚指輪はペア(2本合計)で28万〜32万円のレンジに収まります。長引く世界的なインフレや為替変動、金・プラチナ地金相場の高騰を受け、数年前に比べて各ブランドの店頭価格は底上げされているものの、購入者の支出総額は無制限に上がっているわけではありません。
かつて世間に刷り込まれた「婚約指輪は給料の3ヶ月分」という言説は、1970年代に大手ダイヤモンド供給元であるデビアス社が日本市場向けに展開したテレビCMのキャッチコピーです。高度経済成長期の右肩上がりの賃金体系と見栄消費が合致して定着したマーケティング戦略であり、歴史的・文化的な根拠は存在しません。2026年現在の実態をデータで検証すると、一般的な手取り月収(25万〜35万円前後)の1ヶ月〜1.5ヶ月分が最も現実的なボリュームゾーンとなっています。
外資系ハイジュエラーの代表格であるティファニーやカルティエは、為替の影響やブランド戦略に伴う定期的な価格改定を重ねています。婚約指輪で0.3カラット以上のクラスを求めると、最低でも50万〜70万円前後の予算組みが前提となるのが現実です。一方で、国内のブライダル専門店(銀座ダイヤモンドシライシやエクセルコダイヤモンドなど)では、ダイヤモンドの品質(4C)と枠のカスタマイズにより、30万円台前半でも極めて高いグレードを実現できるため、ブランドの「格式・ネームバリュー」を取るか「実質的なクオリティ・コストパフォーマンス」を取るかで選択肢が綺麗に二極化しています。