竹林の小径を抜けた先に鎮座するのが、平安時代初期の創建と伝わる伏見神宝神社(ふしみかんだからじんじゃ)です。伏見稲荷大社の境内社ではなく独立した単立神社であり、稲荷山の信仰史においても特別な立ち位置を占めています。
神社が祀るのは、天照大御神と、古代日本の呪術的至宝とされる「十種神宝(とくさのかんだから)」です。物部氏の祖神である饒速日命(にぎはやひのみこと)が天孫降臨の際に授かったとされる神宝であり、病気平癒や死者蘇生、招福の霊力を秘めると信仰されてきました。
境内の見どころは多岐にわたります:
- 狛龍(天龍・地龍):一般的な神社に見られる狛犬ではなく、竹林を背景に龍の像が社殿を護持しています。龍頭社に祈願する参拝者も多く、辰年や昇運祈願の隠れた聖地です。
- 十種神宝のお守りと御朱印:十種の霊宝を象った独自の紋様が配された御朱印やお守りは、熱心な社寺巡礼者の間で高く評価されています。
- かぐや姫伝説の結節点:竹取物語の舞台の一説として数えられるこの地には、竹をモチーフにした祈願絵馬やかぐや姫の像が祀られており、竹林の景観と説話が重なり合います。