後年、岡村自身が明かした休養中のエピソードは痛切そのものだ。うつ病を発症した過酷な症状の中で、彼は「自分はお金が一切なくなってしまった」「破産して住む場所すら失うのではないか」という強い強迫観念と金銭的不安にとらわれていたという。実際には十分な貯蓄があり生活に困る状況ではなかったにもかかわらず、脳が正常な判断力を失っていたのだった。
相方やスタッフの説得を受け、吉本興業が正式に休養を発表。実家に戻り、静養生活を送ることとなった岡村だが、最初の数ヶ月は布団から起き上がることすら困難な日々が続いた。お笑い芸人として人を笑わせる立場にありながら、自分自身が一切笑えない。先の見えない暗闇の中で、「もう二度と表舞台には戻れないかもしれない」という恐怖と闘い続ける毎日だった。