「毎日笑顔を意識しているのに、なぜか口角がへの字に下がってしまう」という悩みを抱える人は少なくありません。美容皮膚科や表情筋研究の現場データによると、口角の下垂は単なる皮膚表面のたるみではなく、顔の筋肉の力関係(筋バランスの破綻)によって引き起こされています。
人間の口元には、口角を上へ引き上げる筋肉と、下へ引き下げる筋肉が拮抗して存在しています。
- 口角を引き上げる筋肉群:大頬骨筋(だいとうこつきん)、小頬骨筋、口角挙筋、頬筋
- 口角を引き下げる筋肉群:口角下制筋(こうかくかせいきん)、広頚筋(こうけいきん)、オトガイ筋
日常会話が減ったり、無表情で画面を見つめ続けたりすると、大頬骨筋などのリフトアップ筋が衰退します。それと同時に、ストレスや無意識の噛み締め(TCH:歯列接触癖)によって口角下制筋がガチガチに凝り固まり、下方向への引力が勝ってしまうのです。下げる筋肉が緊張したまま無理に笑顔を作ろうとしても、不自然な引きつり笑顔になり、口元横のシワを深める要因になります。
さらに見逃せないのが、首から胸元にかけて広がる「広頚筋」の関与です。スマートフォンの長時間のうつむき姿勢やストレートネックによって首前面の筋膜が下垂すると、連動して口元の皮膚全体が下方向へ強く引っ張られます。これが、年齢に関係なく20代〜30代でも口角が下がり、将来的なマリオネットライン(口角からあごに伸びる溝)を形成する決定的な原因となっています。