高圧ケーブル端末処理の施工不良を防ぐ手順と剥ぎ取り寸法をプロが解説

高圧ケーブル端末処理の施工不良を防ぐ手順と剥ぎ取り寸法をプロが解説

話題沸騰中の 高圧ケーブル端末処理の施工不良を防ぐ手順と剥ぎ取り寸法をプロが解説について、多角的な視点をご紹介しています。

高圧ケーブル(6.6kV CVTケーブルなど)の末端は、電気的なストレスが最も集中する弱点部位です。ケーブル内部には中心から「導体」「内部半導電層」「架橋ポリエチレン絶縁体」「遮蔽銅テープ(外部半導電層)」「シース(外被)」という多層構造が採用されています。端末処理とは、この遮蔽層を切り落として芯線を露出させる作業ですが、ここには強力な「電界の集中」が発生します。

施工現場で高圧ケーブル端末処理の絶縁破壊が起きる理由を調査すると、主に以下の3点に集約されます。

第1の原因は、半導電層剥ぎ取り時の絶縁体表面へのナイフ傷です。遮蔽層や外部半導電層をカッターで剥く際、絶縁体表面にわずか0.1ミリ程度の切り込みが入るだけで、そこに電気力線が過剰集中します。通電直後は耐圧試験をパスしても、運用を続けるうちに傷口から「トリーイング(樹枝状の絶縁劣化現象)」が進展し、数カ月から数年後にドカンと地絡・短絡事故を引き起こします。

第2の原因は、ストレスコーン内部やテープ巻き層の「ボイド(空気溜まり)」です。隙間に残った空気は絶縁体よりも誘電率が低いため、高電圧がかかると部分放電(コロナ放電)を起こします。この放電が周囲の絶縁材料をじわじわと炭化させ、最終的に絶縁破壊へ至ります。

第3の原因は、端子部やテープ巻き施工時の水分・異物の混入です。屋外キュービクルや雨天時の湿気対策を怠ると、吸湿した界面が導電路を形成し、トラッキング現象を誘発します。目に見えないミクロの粗雑さが、高圧ケーブル端末処理における施工不良の原因の9割以上を占めています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。