「少し水が滲んでいるだけだから」「お湯自体はまだ沸いているから」と、ヒートポンプユニットの水漏れを放置してしまうケースが後を絶ちません。しかし、設備の保守現場を取材すると、初期の小さな水漏れを軽視した結果、被害が数倍に膨らみ後悔するオーナーの声が多数寄せられています。
SNSや住宅相談フォーラム、修理業者の日報から見える典型的なトラブル実態を検証すると、放置によるリスクは大きく3つに集約されます。
① 制御基板への浸水と漏電ブレーカーの作動
室外機内部で吹き出した水しぶきがファンによって巻き上げられ、インバーター制御基板に付着するとショートを引き起こします。「深夜に突然家中の電気が落ちた」「エコキュートのリモコンが真っ暗になってお湯が完全に出なくなった」という緊急トラブルの多くは、数週間にわたる内部漏水を放置した末の基板焼損です。
② 水道代・電気代の爆発的な高騰
配管から常時お湯や水が漏れ出していると、タンク内のお湯が不足し、ヒートポンプが24時間体制で追い炊き・沸き上げを繰り返す状態に陥ります。あるユーザーの手記では、「普段は月7,000円前後の水道・光熱費が、気づかないうちに月3万円近くまで跳ね上がっていた」という深刻な家計被害が報告されています。
③ 住宅基礎の浸食と寒冷期の路面凍結事故
室外機から漏れ出た水がコンクリート基礎の隙間に染み込むと、地盤の軟弱化やコケ・カビの大量発生を招きます。さらに冬場においては、漏水が通路や隣家との境界で凍結し、「家族や近隣住民が足を滑らせて転倒・骨折する」という二次被害に発展した事例も報告されています。